2011-05-04

日本版FIP

FIP(Fielding-Indpendent Pitching)は、代表的なセイバーメトリシャンの一人であるTangotiger氏が開発した味方の守備能力等の影響を外した投手の評価軸である。
同様の趣旨で開発されたものとしてDIPSもあるが、計算式が複雑な上、要素も多岐に渡り、広く知られている一般的なデータからは計算不可である。
その点、FIPは式の要素として必要なものはホームラン、四死球、三振のみで、公開データが少ない日本の野球でも公式さえ知っていれば計算可能だ。

しかし重要な問題点としてはTangotiger氏が提唱した公式の係数はそのままNPBでは使えないということである。
当然のことであるが、Tangotiger氏のFIPはMLBのデータを元にしているわけで、FIPをそのまま日本で使うためには、NPBでのそれぞれの成績が失点に対してMLBでの場合と同じ影響力があるという大前提が必要になる。
しかしながら回帰分析などで調べるとわずかながら相違していることは明らかで、従ってFIPの係数(ホームランは13、四死球は3、三振はマイナス2)もNPBに応用する場合当然変わってくるであろう。

そしてもう一つの問題はFIPの式で最後に加える3.2(或いは3.12)である。
この3.2の由来についてはこのサイトを参照していただくとして、実際のところ便宜上3.2を使っていると考えても差し支えないように思う。
この数字の精度はともかく、その性格上NPB独自の数字があるはずと考えるのが自然であろう。

残念ながら元祖のように単純明快な公式にはならなかったが、日本版FIPを以下のように考えた。

(1.583 x HR + 0.443 x (BB-IBB+HBP) - 0.083 x SO + 0.057 x BIP) ÷ IP x 9

これは単純にNPBの過去6年の回帰分析の結果である。
BIPは正確な数字は一般的なデータ表からは算出不可なので、便宜上(TBF-BB-HBP) x 0.979 - SOで求めた。
0.979は犠打が全体で打席数に対して2.1%であったことから導かれた。
いずれにしろ上の式はプロトタイプであるので、今後開発の余地はかなりあることは言うまでもない。

次回はこのプロトタイプを使って、開幕して一ヶ月になろうとしているNPB各投手の状況を探ってみたいと思う。

このエントリーの最後になるがFIPも含めたDEFENSE INDIPENDENT系の数字の今後について少し考えてみたい。

いずれの数字もBIPの結果は公平であると言う前提に成り立っている。
しかしながらTangotiger氏が自ら書いている通り、打者を圧倒するようなタイプ、特にリリーフ投手のERAはFIPの結果より良いものなり易く、それはとどのつまり、BIPの結果の誤差によるものである。
例えばMariano RiveraのERAはここ10年の内FIPよりも悪かったのは2シーズンのみで、他の8シーズンははっきり上回っている。
また日本でも阪神の藤川或いは先発ではあるがダルビッシュなどはMOと同様の傾向を見せている。

BIPAの変動は運によるものと考えられているが、再現性の低さを考えると恐らくそれも正解ではあろう。
また味方の守備能力の要素も明らかに含まれ、それらによって見づらくはなっているが、MOや藤川、或いはダルビッシュなどの例を考えると投手自身のキャラクターが関わる要素もありそうではある。
これを明確にする為には、打たれた打球のスピード測定が重要になってくるのではないか?

現在はtERAのように、フライやゴロなどの打球の種類から導かれている数字もあるが、打球速度を考慮した投手の評価軸は皆無である。
Dewanのプラスマイナスシステムには要素として含まれているようではあるので、投手に応用されるのは時間の問題なのかもしれない。
もし実現されるとなると、アイテムが増えることによるサンプル数の問題はあるだろうが、投手ばかりでなく、打者のキャラクターをより鮮明にできるものと期待している。









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